titre

| Intro | Contact |
top histoire bd
hardy
disco
filmo
biblio
paroles
liens
playboy
margin

+
+
+
+

フランソワーズ・・・デュトロンにはなりません!
"PARIS JOUR" 1967年11月20日




フランソワーズ・アルディ。23歳。1メートル72センチ。歌手・女優。彼女には2人の恋人がいます。それはジャン=マリー・ペリエとジャック・デュトロン。スポーツ好き、ミニスカート・・・

 フランソワーズ・アルディは、ジャック・デュトロン(ジェム・レ・フィーユの作者)と結婚しないのだという。反対にデュトロンの方は不満らしい。彼女が5年前から住んでいるサン・ラザールの深紅のアパートで、デュトロンは「男トモダチ」のひとりにすぎないと、その真相について話した。この美人の「のっぽさん」が住むのは、ファンの女の子には及びもつかないような立派な様相の住まい。彼女は手作りの香り付きのろうそくを灯して友人をもてなす。そうすると嫌いなタバコの匂いをかき消せるのだという。
 ジャック・デュトロンとの結婚について、フランソワーズは簡単にこう説明する。「その話はすべて報道が作ったでっちあげなのよ。最近コルシカ島に家を建てようと思ったときも同じで、みんな私が結婚するんだと信じて疑わないの。それは嘘です! みなさんにお約束します。私がそんな決意をするころには、彼は橋の下で相当の水を濾せてると思うわ!」

 ことの真相はこうだ。彼女のレコードは最近ヴォーグ・レーベルの売り上げの50%に達したばかりで、デュトロンとの結婚はありそうもないようだ。その理由は、ジャックは本当に彼女の親友のひとりであり、また彼女はジャン=マリー・ペリエのことを忘れていないからである。つまりデュトロンのことは、ジャン=マリーとの辛い別れで負った傷を塞ぐことができた、おめでたい話でしかなかったということ。しかし傷が癒えなくとも、ジャン=マリーはフランソワーズの思い出となっている。未だに彼女の本棚には、海辺のヴァカンスで日に焼けた彼の写真がそっとしまってある。それどころか、彼女は今パリに残るつもりはなく、ジャン=マリーの映画のヒロインを演じようとしている。なおプロデューサー側はクランクインを延期している。

 実際、ジャン=マリーという名前は彼女の辞書から消え、仕事上でしか思い出すこともなくなった。例えば、この映画のような場合に。つまり、彼女は未だに彼のことが好きなのだ。彼らが別れたのだとしたら、それは彼女が別れに耐えられないから。純粋にジェラシーからである。
 「彼は旅立つだけで十分だったのよ」と今彼女は打ち明ける。「私は自分に問いかけるようになったわ。彼は私よりも強かった。夜になると私は目を覚まして、自分に言い聞かせたわ。女として誇りをもっているべきだったと。帰ってきて、彼にそのことを話して、ひどく怒らせてしまったわ」
 しばらくして、彼女は付け加えた。「私には、大きな愛情と、男性つまりジャン=マリーに会わないことが必要だった」

 これが全てである。彼女の笑い声は全く変わらない。事実として残るのはいわれのない挑発だけ。もちろん彼女が買おうとしているコルシカ島の家も。ミニ・スカートの着こなしも無遠慮なメディアも同じこと。 この点においては彼女のお気に召さないかもしれない。彼女の負けである。ミニスカートでもそうでなくても、フランソワーズ・アルディは前を向いて歩いていく女性なのである。